2026.07.27 (老犬ケア)
愛犬と一緒にお泊まり旅行 ~老犬だからこそ大切な準備と配慮~
夏休みや連休になると、愛犬と一緒に旅行を計画する方も多いのではないでしょうか。
最近ではペットと泊まれる宿泊施設も増え、愛犬との思い出づくりがしやすい時代になりました。
一方で、老犬との旅行は若いころと同じようにはいかないこともあります。
以前は平気だった移動や環境の変化が、思った以上に大きな負担になることもあるためです。
愛犬との旅行を楽しい思い出にするために、老犬ならではの注意点を知っておきましょう。
■ 若いころと同じ旅行は難しくなることも
老犬になると、体力や筋力、感覚機能が少しずつ低下していきます。
若いころは何時間でも平気だった移動や、慣れない場所での宿泊も、年齢を重ねるにつれて負担が大きくなります。
旅行そのものが悪いわけではありませんが、「昔は大丈夫だったから」という感覚で計画を立てないことが大切です。
愛犬の年齢や体調に合わせて、無理のないスケジュールを考えてあげましょう。
■ 足腰の衰えによる転倒やケガに注意
老犬との旅行でまず気を付けたいのが、足腰の衰えによる転倒やケガです。
普段は問題なく歩いているように見えても、
・車への乗り降り
・宿泊施設の階段
・フローリングの床
・段差のある場所
などでは思わぬ事故が起こることがあります。
また、若いころは車内で自由に過ごしていた犬でも、高齢になると急ブレーキやカーブで体を支えきれず、転倒したり座席から落下したりするリスクが高くなります。
移動中はクレートやドライブベッド、シートベルト付きハーネスなどを活用し、安全を確保してあげましょう。
宿泊先でも滑りやすい床にはタオルやマットを敷くなど、足元への配慮があると安心です。
■ 長時間の移動は負担になりやすい
老犬になると体力が低下し、長時間同じ姿勢でいることも負担になります。
また、若いころは平気だった犬でも、加齢によって車酔いしやすくなることがあります。
移動中に、
・落ち着きがなくなる
・よだれが増える
・呼吸が荒くなる
・吐く
といった様子が見られたら注意が必要です。
目的地まで一気に移動するのではなく、こまめに休憩を取りながら進むことをおすすめします。休憩時には軽く歩かせたり、水分補給をしたりして、身体への負担を軽減してあげましょう。
■ トイレの回数が増えることも
高齢になると、膀胱機能の低下や筋力の衰えによって、トイレの間隔が短くなることがあります。若いころと同じ感覚で移動していると、途中で我慢できなくなってしまうこともあるため、注意しましょう。
長距離の移動では
・こまめなトイレ休憩
・ペットシーツの準備
・マナーウェアやおむつの持参
などを検討しておくと安心です。
また、旅行中は環境の変化や移動のストレスから、普段は失敗しない犬でも粗相をしてしまうことがあります。そんなときは決して叱らないようにしましょう。
愛犬自身も戸惑っていることが多く、叱ることでさらに不安が強くなってしまうことがあります。まずは落ち着いて片付けを行い、安心できる環境を整えてあげることが大切です。
■ 環境の変化に敏感になる
老犬になると、目や耳の機能が少しずつ低下していきます。そのため、若いころ以上に環境の変化に敏感になることがあります。
宿泊先では、
・家具の配置が違う
・聞き慣れない音がする
・知らないにおいがする
など、自宅とはまったく異なる環境になります。
普段は落ち着いている犬でも、不安そうに飼い主の後を追ったり、なかなか眠れなかったりすることがあります。
旅行の際は、普段使っているケージやクレート、や毛布、お気に入りのおもちゃなどを持参すると安心感につながります。
■ 旅行前にかかりつけ医へ相談しておくと安心
持病のある老犬や定期的な投薬が必要な犬の場合は、旅行前にかかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。
移動や環境の変化によって体調を崩すこともあるため、
・旅行に行っても問題ない体調か
・移動時に注意することはあるか
・薬の追加処方が必要か
などを確認しておくとよいでしょう。
また、旅行先では普段と異なる生活になるため、服用中の薬は余裕をもって準備しておくことをおすすめします。
■ 旅行先の動物病院も事前に確認を
どれだけ準備をしていても、旅行中に体調を崩したり、思わぬケガをしたりする可能性はあります。
特に老犬は体力や回復力が低下しているため、早めの対応が重要になることも少なくありません。
旅行前には、
・宿泊施設の近くにある動物病院
・夜間診療に対応している病院
・休日診療に対応している病院
を事前に調べておくと安心です。
実際に緊急時になると慌ててしまいがちです。
あらかじめ連絡先や場所を確認しておくことで、万が一の際にも落ち着いて対応することができます。
■ 夏場は暑さ対策を最優先に
近年の夏は非常に暑くなっています。人にとっても厳しい近年の暑さは、犬にとってはさらに大きな負担になります。
特に犬は人よりも地面に近い位置で生活しているため、アスファルトからの照り返しの影響を強く受けます。また、老犬は体温調節機能が低下しているため、熱中症のリスクも高くなります。
旅行中は、
・十分な飲み水を用意する
・こまめに休憩を取る
・クールマットや冷却グッズを活用する
・散歩は早朝や夕方以降に行う
といった対策を心掛けましょう。
短時間でも、車内に愛犬を残したままにすることは絶対に避けてください。
■ 旅行に連れて行かないという選択肢も
旅行は必ずしも愛犬をずっと連れて行かなければならないものではありません。
高齢になると、長時間の移動や慣れない環境での宿泊が大きな負担になることもあります。
そのため、愛犬の体調や性格によっては、旅行に同行させるのではなく、自宅近くの老犬ホームやペットホテルなど、慣れた地域の施設に預けるという選択肢もあります。
また、旅行中の一部日程だけ、旅先周辺の老犬ホームなどでショートステイを利用する方法もあります。
近年では、老犬の介護や持病に対応したショートステイサービスを行う施設も増えており、旅行中だけ利用する飼い主さまもいらっしゃいます。
実際に老犬ケアにも、
・旅行中に預けられる施設を探している
・持病があっても預かってもらえるか相談したい
といったお問い合わせが多数寄せられています。
愛犬と一緒に旅行を楽しむことも素敵な選択ですが、愛犬の体調や性格によっては、無理をさせず安心できる環境で過ごしてもらう方が負担の少ない場合もあります。
大切なのは、「飼い主が行きたい旅行」ではなく、「愛犬にとって無理のない過ごし方」を考えることです。
■ 旅行は「余裕を持つ」が大切
老犬との旅行で最も大切なのは、予定を詰め込みすぎないことです。
若いころのように観光地を次々回るよりも、ゆっくり過ごせる時間を増やした方が愛犬にとっては快適な場合もあります。
たくさんの場所を回ることではなく、愛犬と一緒に楽しい時間を過ごすことを目的に、愛犬のペースを大切にしながら、無理のない計画を立ててあげましょう。
■ まとめ
老犬との旅行では、若いころと同じ感覚で計画しないことが大切です。
足腰の衰えによる転倒やケガ、長時間移動による疲労、トイレの問題、環境の変化への不安、そして夏場の暑さなど、配慮すべき点は少なくありません。
しっかり準備を行い、愛犬のペースに合わせることで、旅行はかけがえのない思い出になります。
また、場合によっては老犬ホームなどのショートステイサービスを利用したり、旅行には同行させず慣れた地域の施設で過ごしてもらったりすることも、愛犬への大切な配慮のひとつです。
「無理をしないこと」も愛犬への大切な思いやりです。
愛犬の体調や性格に合わせた過ごし方を選びながら、素敵な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
私も愛犬との旅行を楽しんでいる一人ですが、愛犬がシニア期に入ってからは、移動距離が比較的短く、いつも同じ宿泊先を利用しています。愛犬も場所や宿のスタッフに慣れているため、リラックスして過ごしてくれます。
同じ場所に泊まることは、愛犬の負担を減らす工夫の一つなのかもしれませんね。
愛犬にとっても、飼い主さんにとっても、旅行が楽しく心地よい時間になりますように。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
旅行を計画する際は、「一緒に連れて行く」だけでなく、愛犬にとって最も負担の少ない過ごし方を考えることも大切です。
高齢犬や持病のある犬の場合は、旅行中だけ老犬ホームのショートステイを利用したり、慣れた地域の施設で過ごしてもらったりすることで、安心して旅行を楽しめるケースもあります。
► 全国の老犬ホーム・老犬お預かり施設一覧はこちら
旅行中にも役立つ暑さ対策グッズ
夏場の旅行やお出かけでは暑さ対策も欠かせません。
クールマットや冷却ウェア、保冷グッズなどを活用することで、移動中や宿泊先での熱中症対策にも役立ちます。
► 老犬の暑さ対策グッズを確認する
LINE公式アカウントでは、失敗しない施設選び、介護ノウハウを配信中
関連のあるコラムを見る
最新のコラムを見る
介護のノウハウを知る
介護用品を調べる
- 介護のノウハウを知る
PR